茨城県の最北部の山間地帯に位置する大子町は、日本三大名瀑「袋田の滝」が有名な観光地だ。この町には廃校となった懐かしい木造校舎が多く現存し、活用されている。映画やドラマのロケ地として、現代アートの作品会場などとして、地域活性化のための貴重な町の資産となっている。

旧上岡小学校(茨城県久慈郡大子町上岡)

JR水郡線常陸大子駅の北西約3kmに位置する旧上岡(うわおか)小学校。学校創立は1879年(明治12年)、そして2001年に閉校となり長い歴史を終えた。残存する木造校舎は、この地に移転した1901年建築の第1棟、1937年建築の第2棟、1963年建築の第3棟で構成される。現地保存されている校舎としては茨城県最古だ。

県の指定文化財として大子町にて大切に保存され、地域の保存会の力で陶芸や絵画ギャラリー、期間限定のレストランなどに活用されている。2016年の県北芸術祭のアート会場にもなった。

NHKの朝ドラ「花子とアン」や「おひさま」、映画、CMのロケ地としても人気がある。

 

大子町文化遺産


旧初原小学校(茨城県久慈郡大子町初原)

上岡小学校の北部に位置するのが旧初原小学校。1995年に閉校となり、以降は地域の組織により「初原ぼっちの学校」として、子供たちのふれあいの場、体験の場となっている。2016年の県北芸術祭の会場ともなった。上岡小学校同様、映画やドラマのロケ地にもなっている。

白い外壁の木造校舎と森の緑とのコントラストが美しい。

週辺には田んぼが広がり、のんびりとして里山風景が見られる。


旧西金小学校(茨城県久慈郡大子町西金)

久慈川の渓谷沿いに走るJR水郡線。西金駅から山の斜面を上った場所にある美しい木造校舎が現存する。

明治5年(1872年)に寺子屋として組織され、明治24年(1891年)に西金尋常小学校として開校した。その後何度かの継承を経て、昭和32年(1957年)に新校舎の完成とともに大子町立西金小学校に改称され、平成17年(2005年)に学校統合により130年の歴史を閉じた。

築70年近い校舎は国指定有形文化財であり、別棟の音楽室・理科室やプールが今も残る。2019年NHK朝ドラ「なつぞら」では主人公が通う高校としてロケ地となった。

 

 

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