福島県の奥会津地方。山間部ののどかな原風景が広がる集落に旧喰丸(くいまる)小学校があった。
1937年に建てられた校舎は1980年に統合により閉校となったが、懐かしさ溢れる木造校舎と校庭のイチョウの木が美しい。その後、いったんは解体が決定されたが、映画「ハーメルン」のロケ地になったことで解体は延期され、2014年に村民有志よる保存と活用を求める署名活動により解体は白紙に。そして2015年12月、存続が決定された。
校舎の損傷は小さくはないながらも、カフェが併設される新しい村の観光・交流施設としての改修プランが2017年春に決定。改修費用の一部をクラウドファンディングを活用し、2018年春に「喰丸小」としてリニューアルオープンし、息を吹き返した。
必要な補強、補修工事を行いながらも外観の風合いは以前と変わらない。地域の伝統産業である「からむし織」を継承するワークショップなども行われている。「蕎麦カフェSCHOLA」では、校庭のイチョウを眺めながら地元産のそば粉を使った手打ちそばを味わえる。
地元の熱意が実を結び、「昭和村の暮らしに寄り添うみんなの学び舎(集い場)」として再出発した。